中小企業診断士 茂井康宏 オフィシャルブログ

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2026年版中小企業白書|「現状維持が最大のリスク」

高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン) 策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。

閣議決定|今年の白書が放つ異質

2026年4月24日、2026年版「中小企業白書・小規模企業白書」が閣議決定されました。
コアメッセージは「経営環境の転換期において、現状維持は最大のリスク」に集約されます。
白書において、これほどストレートな表現は比較的珍しい部類に入ります。
中小企業白書・小規模企業白書のメッセージ

前年版との違い|青写真から実装論へ

2025年版白書は「DX」「スケールアップ」「経営力」が中心でした。
2026年版は焦点を「稼ぐ力」と「経営リテラシー」に絞り込んでいます。
「経営力」という大きな概念は、2026年版で「財務・会計」「組織・人材」「運営管理」「経営戦略」の4分野の「経営リテラシー」として具体的に定義されました。
デジタル領域ではAIを業務効率化に使う段階を超え、事業構造の再設計へと要求水準が引き上げられました。
青写真を描く白書から、現場での実装を問う白書へと軸足を移しています。

経営リテラシー4分野|型として日常に

白書はこの4分野について、取組状況を定量的に示しています。
財務・会計では、原価管理の取組率が67.8%である一方、資金繰り計画の策定は24.6%にとどまります。
経営戦略では、経営計画の策定が19.9%と最低水準です。
経営計画をPDCAで回している企業が効果を得た割合は87.2%。確認していない企業は54.5%です。
この差は「知っているかどうか」ではなく、型が日常に落とし込まれているかどうかから生まれます。

支援機関の課題|支える側の足元

もう一点、白書が踏み込んだのが支援機関自身の能力問題です。
支援ノウハウ・知見の蓄積を課題と感じている機関は49.8%、支援人材の確保を課題とする機関は42.2%に上ります。
支援する側の足腰が整わなければ、経営リテラシーの底上げは掛け声で終わります。

自社の経営リテラシーを4分野で点検したとき、手をつけられていない項目はいくつあるでしょうか。
その数が、今後の経営の伸びしろをそのまま示しているかもしれません。


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ANA上級会員に激震|SFC会員のラウンジ利用に線引き

高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン)策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。

4月23日、ANAから大きな発表がありました。
ANAの利用が多い経営者や会社員は、上級会員になっている方が多いと思います。
私もその一人です。
その上級会員、スーパーフライヤーズカード (SFC) 会員の間に、今激震が走っています。
2028年4月から、SFCは年間決済額に応じて「SFC PLUS」と「SFC LITE」の二段階に分岐するためです。

揺らぐ前提|無条件のラウンジ利用は不可

これまでSFC会員であれば、無条件でANAラウンジを利用できました。
私は、ANAラウンジを出張時のオフィスとして重宝してきました。
ところが今後はそうはいきません。
ラウンジを使うには、年300万円以上の決済で「SFC PLUS」に入ることが条件となります。
スターアライアンスのステータスも、条件未達なら「シルバー」にとどまります。

「SFC PLUS」と「SFC LITE」

変化の正しい輪郭|残るものと変わるもの

ただし、すべてを失うわけではありません。
国内線の優先搭乗や、手荷物の優先受取など、ラウンジ以外のサービスは継続提供されます。
変わるのは「ANAラウンジ」と「スターアライアンスのステータス」の二点に絞られる、ということです。

改定の背景|増えすぎた上級会員と混雑

背景には、上級会員の増えすぎがあると推測します。
羽田のANAラウンジは人でごった返し、静謐さが失われていました。
ANAは顧客を選別することで、サービス密度を取り戻そうとしているのです。

判断のものさし|出張の実態から考える

私自身はほぼ国内線しか利用しないため、ラウンジのためだけに、年300万円決済をANAカードへ移すのは筋が悪いと考えています。
今後は、カードラウンジを出張時のオフィスとして活用する方針です。
皆さんの出張スタイルでは、ANAラウンジ、スターアライアンスのステータスのどちらに重みを置くでしょうか。

搭乗前の経営者


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人手不足対策|マクドナルドに学ぶ

高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン) 策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。

先日訪問した飲食店の経営者が、休日の人手不足を嘆いていました。
外部のスキマバイトアプリも試したものの、調理や接客までは任せられないとのこと。

スキマバイト|外部アプリだけが答えなのか

スキマバイトといえば、外部のマッチングアプリを思い浮かべる方が多いでしょう。
短時間の欠員を、専用アプリで素早く埋める仕組みです。
ただ、大手の動きを見ていると、少し違う流れも見えてきます。

元クルーという答え|マクドナルドの一手

日本マクドナルドは、自社運営サイト「カムバっ!クルー」を立ち上げました。
対象は、過去に同社で働いていた元クルー、約300万人です。
登録すれば履歴書や面接なしで勤務できます。
この流れは同社に限りません。
すかいらーくも元クルー向けのカムバックサイトを運営しており、経験者の再活用は業界全体に広がっています。

即戦力・信頼・コスト|三拍子そろう理由

なぜ元クルーなのか。理由は三つあります。
一度働いた人であれば、研修がほぼ不要です。
調理や接客といった中核業務も任せられます。
さらに、外部サービス利用時に発生する手数料 (報酬の約3割とされる)が不要となり、収益性が向上します。
人物や働きぶりが既知である点も、安心感につながります。

小規模事業者でも動ける|明日からの工夫

この発想は大手だけのものではありません。
私が知っている小規模事業者の飲食店では、かなり前から「元スタッフ」を名簿化して、毎年の繁忙期を乗り切っています。

元スタッフと再会する店主

最低限、以下の3点を実施してみましょう。
◯辞める時に意向を確認し、連絡先を交換しておく
◯元スタッフ限定のLINEグループ等を整備しておく
◯帰省シーズンや繁忙期前にこちらから声をかける

特別なシステムは要りません。
日頃の関係づくりが土台になります。

ただし、声をかける対象には注意が必要です。
円満に辞めていない方まで呼び戻せば、現場に波風が立ちます。
対象はあらかじめ絞っておきましょう。
大手企業の取り組みをアレンジして、できることから始めてみることをおすすめします。

人手不足対策|マクドナルドに学ぶ


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店頭販促の落とし穴|エンドと試食。2つの仕掛け

高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン)策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。

売場の疑問|二つ並べれば、効果は倍か

スーパーや専門店の売場を歩くと、ある光景によく出会います。
通路端の平台「エンド」と、その横の試食コーナーがすぐ隣り合っている、という光景です。

試食販売をするスタッフ

目立つ場所に、目立つ仕掛けを二つ。
いかにも売れそうに見えます。
「目立つ仕掛けを重ねれば、効果も倍になる」。
そう考える方も少なくないはずです。
しかし本当に、隣接させた方が売れているのでしょうか。

互いに奪い合う|注意という有限の資源

米国の小売店で行われたフィールド実験では、エンド陳列と試食販売を近接させると、互いに注意を奪い合い、売上効果が弱まると確認されています。
「二つ並べれば倍」ではなく、「二つ並べると打ち消し合う」場面があるのです。
人間の注意資源は有限です。
強い刺激が近くに並ぶと、視線も思考も分散します。
同じ商品の販促が重なると、脳は「情報の重複」として処理の優先度を下げます。
この実験の結論は、「試食販売を行うなら、エンドの商品と補完関係にあるものに寄せるべき」。クッキーのエンドの横で、コーヒーを試飲してもらう、という考え方です。

組み合わせで設計する|応用のヒント

現場に置き換えると、たとえば次のような組み合わせが考えられます。
① クッキーのエンド + コーヒーの試飲
② 鮮魚のエンド + 日本酒や薬味の提案
③ 鍋つゆのエンド + お豆腐・茸の案内

単品の押し売りではなく、「セットでどう楽しむか」の提案に変わります。
結果として、客単価の向上につながります。
単品の販促を重ねるのではなく、組み合わせで客単価を動かす。
この発想を、ぜひ今後の店頭販売に活かしてください。

店頭販促の落とし穴


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「酷暑日」が正式決定|40℃時代のビジネスチャンス

高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン)策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。

導入|40℃が「正式な言葉」に

4月17日、気象庁は最高気温40℃以上の日を「酷暑日」と正式に定めました。
これまでの「猛暑日」は35℃以上が基準です。

温度計を見つめるビジネスマン

その5℃の差は、体感の話ではありません。
外出するか、配送できるか、現場に人を出せるか。
行動そのものが変わる水準です。
このニュースを私は、気象の話とだけではなく、経営の話としても受け取りました。

気づき|早く動いた企業は発表より先に

たとえばカバヤ食品は「塩分チャージタブレッツ」を夏の季節商品から通年販売の必需品へ転換しました。
対象も部活・スポーツ層だけでなく、通勤・家事・入浴など日常的に汗をかく層全体へ広げています。
ワークマンは2026年に、気温45℃を想定した酷暑・UV対策ウェアを本格投入し、「猛暑こそビジネスチャンス」と明確に位置づけました。
いずれも、「酷暑日」の正式決定より前の動きです。
気象庁が言葉を決める前に、市場はすでに変わっていました。

背景|40℃は需要の組み替えシグナル

上場企業183社を対象とした調査では、2025年夏の酷暑の影響を「プラス」と開示した企業が114社、全体の約6割に上りました。
冷却グッズ、塩分補給商品、冷感インナー、扇風機などが好調でした。
酷暑はリスクであると同時に、需要の組み替えシグナルです。
来客行動・購買判断は変わります。人が動かない時間帯に従来通りの売り方をしても、土台が崩れています。

実務|明日から動ける3つの視点

まず、商品・メニューの見直しです。
冷感・補給・即食など、酷暑対応の切り口で品揃えを再点検します。
次に、営業時間とシフトの再設計です。
来客が集まりやすい早朝・夕方に人員を厚くし、最高気温帯の時間帯の運営を見直します。
そして、スタッフの熱中症対策を明文化することです。
冷却グッズの支給や水分補給のルールを、「各自で対応」ではなく、経営判断として決めておく必要があります。

締め|言葉ではなく、前提が変わった

「酷暑日」を気象用語としてではなく、経営前提として捉えることで、現場の行動は変わります。
あなたのビジネスは、40℃が当たり前になった夏を、どんな体制で迎えますか。

40℃時代のビジネスチャンス


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