高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン)策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。
ある社長の一言|「車あんまり使わんし」
先日、小売業の経営者から「ガソリンが上がっても、うちは配達少ないから関係ない」という言葉を聞きました。
3月9日時点で全国平均161.8円。
一部スタンドでは196円に達しています。
イラン情勢の緊迫化が背景にあり、政府は3月19日出荷分から補助金を再開しますが、店頭への反映には1〜2週間かかります。
少なくとも3月末までは高値が続く見込みです。
この状況を「燃料費の話」だけで片付けるのは早計です。
燃料費だけではない|波及するコストの正体
ガソリン価格の上昇は、経営全体に波及します。
仕入先の物流コストが上がれば、納品価格に転嫁されます。
石油由来の包装資材やプラスチック容器も値上がりします。
電気・ガスの光熱費にも影響が出ます。
さらに見落とされがちなのが「値上げ通知への対応コスト」です。
取引先から届く値上げ通知の確認、社内での検討、価格改定の判断。
件数が増えれば、その事務負担も無視できません。
売上にも影響が出る|消費者の行動が変わる
コストだけではありません。ガソリン高騰は売上にも影響します。
消費者はガソリン代を節約するため、来店頻度を減らします。特に郊外店や地方の店舗は、商圏そのものが縮小します。
来店が減る一方で「まとめ買い」志向が強まり、客単価は二極化します。
さらに、節約意識が高まると、外食・嗜好品・美容サービスなど「後回しにできる支出」から削られます。
大切なこと|数字で把握して、先手を打つ
まず取り組むべきは、コスト増の全体像を数字で出すことです。燃料費だけでなく、仕入・物流・資材・光熱費を一覧にし、月間の増加額を試算します。
次に、価格転嫁は「伝え方」まで設計します。値上げ幅だけでなく、据え置く商品とのバランスを見せることが重要です。「全品一律値上げ」は顧客離れを招きやすく、理由の説明と選択肢の提示がセットになって初めて納得感が生まれます。
そのうえで、来店間隔が開いても売上を落とさない仕組みをつくります。まとめ買いセットの提案、次回来店時の特典設計など、来店頻度が下がっても客単価と継続率を守る設計が欠かせません。
見誤ると何が起きるか|先送りの代償
ありがちな失敗は「補助金が出るからしばらく様子を見よう」という判断です。
補助金の効果が店頭に届くまでにはタイムラグがあり、その間にコスト増は確実に利益を削ります。
もう一つは、コスト増を把握しないまま価格転嫁に踏み切るケースです。
根拠のない値上げは顧客の信頼を損ない、価格を戻しても客足が戻らないことがあります。
対策は「数字の把握」が先、「価格改定」はその後です。
燃料費以外|しっかり見えていますか
ガソリン価格の問題は、給油所の看板だけを見ていても全体像はつかめません。
仕入・物流・資材・光熱費、そして消費者の行動変化。
自社の経営にどこまで波及しているか、今の時点で把握できているでしょうか。
[ビジネスプラン・商品開発・販路開拓]
株式会社プランコンサルティング
代表取締役社長・中小企業診断士 茂井康宏
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