中小企業診断士 茂井康宏 オフィシャルブログ

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よさこい祭りは79億円|経済波及効果について考える

高知を拠点に、全国各地で経営・事業計画 (ビジネスプラン) 策定、商品開発、販路開拓などの経営支援を行う、中小企業診断士/経営コンサルタントの茂井康宏です。

よさこい祭り|4日間で動いた79億円

高知県高知市で、よさこい祭りが開催されました。
89日が前夜祭、10日と11日が本祭、12日が全国大会と後夜祭です。
日程は毎年固定されています。
高知県が一年で最も賑わうのが、この4日間です。
79
1,816万円。
これは第70回にあたる2023年のよさこい祭りの経済波及効果です。

よさこい祭り

経済波及効果|三つの段階に分かれる

経済波及効果は、三つの段階に分かれます。
直接効果は、観光客や主催者、出場チームが直接使ったお金です。
間接1次波及効果は、その支出を受けた企業が原材料を仕入れることで生まれます。
間接2次波及効果は、働く人の所得が増え、それが消費に回って生じます。
よさこい祭りでは、直接効果が529,491万円でした。
間接1次波及効果が172,700万円、間接2次波及効果が89,600万円です。
直接効果に対する経済波及効果は、約1.50倍となりました。

賑わいと効果|人数だけで決まらない

79億円は、すべてが高知県内に残ったお金ではありません。
祭りで使われたお金は693,972万円です。
このうち164,480万円は県外からの調達に充てられました。
原材料や燃料、輸送を県外に頼った分で、移輸入 (県外からの調達) と呼びます。
直接使われたお金の約24%、およそ4分の1にあたります。
この分は県内の生産に結びつかないため、79億円の計算には入っていません。
賑わった規模と、地域に残った金額は別物である点に注意が必要です。

さらに言えば、79億円は売上ベースの数字です。
実際に県内に生まれた付加価値は437,263万円でした。
これは高知県の実質県内総生産の0.192%にあたります。
所得として分配されたのは233,599万円で、1,035人分の就業機会を生みました。

また、波及効果の大きさを決めるのは人数ではありません。
使われたお金が県内で何周するかです。
14,000人の踊り子が踊り、多くの観客が集まっても、支出の受け皿が県外にあれば、効果はそこで止まります。

よさこい祭りの経済波及効果

最後に|増加した数字と減少した数字

2017年の調査では、波及効果は96億2,700万円でした。
6年で17億800万円減少しています。
参加チームは205チームから157チームへ減りました。
参加チームと踊り子が減少しており、その縮小が、そのまま数字に表れた形です。

内訳で目を引くのが宿泊費です。
2023年の宿泊費は5億8,200万円でした。
観光客の消費61億6,200万円のうち1割弱にとどまります。
飲食費25億6,400万円の4分の1にも届きません。
多くの人が、泊まらずに帰っているということです。
調査はここに伸びしろがあると指摘しています。

平均宿泊単価が1割上がれば、効果は8,700万円増えます。
平均宿泊日数が1割増えれば、1億8,900万円の増加です。
滞在中の消費額が1割増えれば、6億3,300万円が上乗せされます。
県内自給率が1割上がれば、4億6,600万円が加わります。

一方で、税収は2億7,520万円へ増えました。
前回の1億5,332万円を上回っています。
数字は、減った部分と増えた部分の両方を映します。
人口約31万人の高知市にとって、この経済波及効果はたいへん大きなものです。
そして、この構造はそのまま自社の話でもあります。
売上が立っても、仕入先や外注先が県外にあれば、お金はその場で外に出ていきます。

自社の支出は、どこに落ちているでしょうか。
祭りの数字は、そう問いかけています。


[ビジネスプラン・商品開発・販路開拓]
株式会社プランコンサルティング 
代表取締役社長・中小企業診断士 茂井康宏
https://profile.hatena.ne.jp/plan-consulting/

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